■ ■ ■ 本当に必要なことが、本当に必要な人に為される社会を目指して ■ ■ ■
REFリアル・イクアリティー・フィールズ代表 佐々木亜紀です。 REFは、「すべての人が 当たり前に 真の平等へ」を社会の中で現実のものにするため、活動を行っていく団体です。 本当に必要なことが、本当に必要な人に為される社会を目指して、 一人一人、その人の持つ文化、時間の流れ、その全てを尊重し、その人に必要な事を 社会の中で当たり前に保障し、本当のコミュニケーションを積み重ねていくこと、そのことが真の平等につながる事と信じて、活動を行っています。 この活動を続けていこうとするとき、どうしても押さえておかなければならない、一番最重要と捉えるべきことがあります。この事をしっかりと確認しておかなければ、他の何の活動も前には進まない、と思うほどあまりにも大切なことです。 ● ● ● ● ● ● 津久井山ゆり園の事件から一年が経ちました。 この事件で19人の方が殺害され、26人の方が重軽傷を負いました。 この事件がおきたとき、余りにもとんでもないことで、大きなショックを受けました。この事件を起こした犯人の犯行そのものと、語っている動機の内容は、どこをどう切り取っても正当性など微塵もない、許されない行為という事は、余りにも当然のことのはずです。 にもかかわらず、その後、更にショックな事が起きました。それはこの事件について、あたかも、その犯人の犯行の動機を共感したり、同意したりするとらえ方があるとの報道をされた事です。要は「この犯人の言ってることに共感する部分がある」という趣旨です。その馬鹿馬鹿しい具体的内容を知る程に、怒りと強い憤りでいっぱいになります。 その内容は、この場で言葉にするのも腹立たしいほどに、的外れなものです。 しかもマスコミ等の報道の中で、それを、正しい解説もなしに、ただ、その言葉のみを出してしまっているという、ここにも大きな怒りを覚えます。 一番重要なことが、余りにも抜けていると思えてなりません。この事件が起きたことによって、命を絶たれ、苦しみを持った人はいったい誰なのか! (これは被害者の実名を公表してほしいということでは決してありません。皆、一人一人の歴史や状況は違います。実名を公表するか否かは、その家族が選ぶこと、これは当然のことではないでしょうか) この事件によって、苦しみ続けている人は誰なのか!1日24時間の中、この事件が頭からはなれず、生活が人生が一変してしまった人は誰なのか!一年間の中で、この事件にずっとずっととらわれなければならない状況にいる人は、いったい誰なのか!その人達のことを、第一に、最優先に、全てのことを考え、何かを行っていくものでなくてはならないと、強く思います。 この事件が起きたことで、深い苦しみ、悲しみ、辛さをずっと抱えている人達がいます。 それは、当事者、その家族、共にいた職員の人、友人、、そして、直接その事件に関わりがない人達の中にも、この事件が他人ごとではなく、自分自身のこととして苦しんでいる人達がいます。そしてそれらの人達に追い打ちをかけるようなあまりにもひどいマスコミ等の報道によって、更に深く傷つき苦しんでいる人達がいます。なぜ、この事件そのもので傷つき、更に傷つけられ、苦しみをより深くしなければならないのでしょうか。 亡くなった19人の人達は、皆、一人一人、生きてきた歴史も状況も違います。何が好きで、何が嫌いで、どんなことに悲しみを感じ、どんな時に生きる喜びを実感していたか、皆、違います。皆、一人一人のもつ文化があるのです。「障害者」という枠組みで語られるものでは断じてない、ということは、余りにも当然で当たり前であるはずのことです。 この事件の後にある、様々な驚くべきコメントをする人の中には、この事件の前と後でも、変わらない自分の日常を続けている人が多いのではと推測せざるを得ません。自分は関係ない、24時間考え続けることもなく、自分の日常は何一つ変わらず続いている人に、この事件で、人生や日常が一変し、ずっとこの事件を考えざるを得ない状況に置かれている人のことを、希望に向かう言葉とは真逆な言葉で語ることに、何の意味があるのでしょうか。 誰かが誰かの命の価値や存在そのものの優劣を、あたかも決めていいような価値観が少なからず蔓延している状況を知るにつけ、強い怒りとともに、いったいいつから人間は、そんなに傲慢な考えを持ってもいいような存在だと大きな勘違いをするような舵取りになってしまったのかと、悲しみが襲います。 もともと、人も自然も、この地球も、人間の意志によって出来たものではない、人の力の及ばないところで全て成り立ってきたことを思えば、誰も、何にも、その存在や命に優劣をつけることは決してできない事に気づくべきです。 この事件の犯人が行ったことは何一つ、どこを切り取っても、正当化される部分は全く全くあり得ないということを、皆の共通認識とされて当然のはずです。 そして一番にとらえるべきは、この事件で人生、生活、日常そのものが一変してしまわざるを得なかった人達、その人達一人一人の人に対して、今、そしてこれから、本当に何が必要であるのかを、何をしていかなければならないのかを、この地球上の最も大切なことの一つとして捉え、具体的に行動を起こす社会を目指していかなければならないのではないでしょうか。 ● ● ● ● ● ● ページの一番上へ戻る |